奥居合居業之部
奥居合、即ち奥居合之部居業並ぴに立業の各業前は、正座 ・立膝のそれぞれの基本的技法の修練が十分出来てから修得 すべきものである。
我が正面に対座する相手の機先を制して、その首に斬り付けたが 不十分であったので、直ちに我が身体を進ませながら斬り返し、 更に上段より斬り下ろしてたおす業である。
正面に対座する相手が、我が右足に薙ぎつけてくるのを受け止め、 (受け払う心持)相手の退かんとするを上段より斬り下ろしてたおす業前である。
我が直前に開いた戸がある。その戸の向こう側の左右に座居する相手の機先を制して、 敷居の向うへ一歩踏み込み、右斜前の相手を抜き打ちにし、更に左斜前の相手を斬りたおす業前である。
我が直前に開いた戸がある。その敷居の右向こう側と左後方に一人宛の相手を認め、害意を察知したので、 機先を制して先ず左後方の相手を刺突し、更に右前の相手を斬りたおす業前である。
我が座の四方に多数の相手を受けた場合、その相手の刀を受け流しつつ、 四方に変体して相手をたおす業前である。
我は棚や縁の下等、頭上に余り余裕のない場所に居る時、 その場所より這い出して外部よりの相手を斬りたおす業前である。
我が体の左右に近接して障害物があり、通常の業前のように所作が出来ない故、 前の相手に対し刀を前上方に抜き構え刺突斬撃する業前である。
相手が我が前方に逃げ去ろうとするを追い進んでたおしたが、 その時他の相手が遽かに仕掛けてきたので、我は直ちに後退しつつ 間合を計って斬撃したおす業前である。